哲学日記

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zoom RSS 『Ωの輝き』 《解説(その1)》

<<   作成日時 : 2005/11/06 07:37   >>

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文学ファンの皆さん、はじめまして。今回、思いきって『Ωの輝き』をリリースさせて頂きました。この作品はもちろん”単品”でも十分楽しめるよう設計されておりますが、この作品がどのような作品なのか、そのことを簡単にご説明いたします。

 1980年12月に私は最初の強烈なうつ病を体験しました、そして奇蹟的に命をとりとめました。さらに、1990年1月、二度目にもっと強烈なうつ病を体験しました。そして、そのときも命だけは失うことなく現在にいたっています。この、二度目のうつ病が回復に向う途中、突然”創作意欲”が発生しました。ある種の”カタルシス”であったかと思われますが。いずれにしても、この”覚醒”の現象によって、私の人生行路は大きく変化しました。つまり、本職として、”哲学者”、”思想家”、そして”作家”という三足の草鞋を同時に履いた、そのような人間として歩む決意をしたのです。

 ですから、この作品は1991年に既に現在のまま存在していたというわけです。私を自殺から救ってくれた内科医の田中良(まこと)先生には原稿をそのときお見せしていました。先生はこの作品を大変評価してくださって、いつか世の中に出るといいですねって励ましてくれました。その後、自費出版の可能性も若干は考えましたが、すべて辞めました。

 こう言っては出版社さんに対して大変失礼になるかもしれませんが、出版社はその作品が”価値があるかないか”ではなく”売れるか売れないか…”という視点でしか”発想”できないことがよくわかりました。まあ、そんなこんながあって、この作品の出版の件はそのままにしておきました。

 ところが、『モツニ哲学者、自らを語る(その1)』
という記事でも述べましたが、今年の8月、プログを実際に始めてしまいました。そのときも、文学ブログまではやるつもりはありませんでしたが、不思議なことに、その”文学ブログ”が私のメインのブログとして展開するようになってしまったのです。

 さて、本題に入りましょう。この作品は『異常なる感性』という超大作の第三章を構成する作品なのです。わたしのこの『異常なる感性』という作品は、ダンテの『神曲』、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、ゲーテの『ファウスト』、ホーマーの『イーリアス』と『オデュセイア』、ジョイスの『ユリシーズ』、そして宮沢賢治の諸々世界、ミヒャエル・エンデの諸々の世界、そしてル・グウィンの『ゲド戦記』と『アースーシー』の世界をすべて統合したそのような”世界”になっているのです。

 以下にこのスーパー大河ドラマ『異常なる感性』の全体像を目次構成というスタイルで皆様にお知らせいたします。

『異常なる感性』

第T部 天上編

第一章 回想
 全編に対する導入。自己の素描、新藤君(友人=分裂病)についての素描、キリスト教世界に関する素描、これから展開する諸テーマに関する伏線などなど。

第二章 饗宴(隣人愛について)
 具体例によるキリスト教批判。キリスト教批判を通してての今後のメインテーマについての暗黙の伏線などなど。

第三章 Ωの輝き(死後の世界)
 脳死および臨死の問題から始めて、死の問題全般についての素描。時間の問題、空間の問題、その他、”死”の概念に関係する諸問題についての簡単なスケッチ。
 
第四章 青春の日々

 子供のとき母および祖母から聞いた多くの話を、現代の民話、神話、童話、昔話と絡め、精神分析学、文化人類学、考古学、言語学等を踏まえ、かつ、エンデ、ケストナー、キャロル、ル・グウィン女史、宮沢賢治などの優れた作家から学びつつ、現代の最も深刻な問題と対比させつつ、独自の文学空間を模索。

第五章 人生の門出

 日本を離れ、始めて異文化と接触した体験を通して、人が環境にどのように影響され、どのような人生観が形成されてゆくか、その内面的な過程を描写するとともに、日本的な考え方と非日本的な考え方が根本的に異なるのか否か等をいろいろな角度で検討。(この章で展開されている議論は、後の精神病の病因論とリンクされ、さらに発展、深化する)

第六章 人情の機微

 プログラマとしての会社員生活を通して、もろもろの出来事、体験、失敗を描写するとともに、厳しい決定的な失恋を描写し、男と女の問題について、地上編および地獄編以降での展開にリンクされる。

第七章 信仰 vs 幻想

 宗教、文化、文明、近未来などについて、第一章、第二章で予告したテーマを受け継いで、より文学的にそのテーマを掘り下げる。(エイズ問題、オウム問題、人工知能、人工精神、ゾンビ、ジンボ、などなど)

第八章 うつ病(T)

 第六章を受け継いで、しだいにうつ病に陥って行く過程を描写。うつ病になるまでの状況、病前、病中、病後の詳細について、第一章から第七章までのもろもろのテーマとモチーフに絡めて最初のクライマックスを展開。

第U部  地上編

第九章  回想(U)

 徐々にうつ病の世界から解放されてゆく過程を描写しながら、人生観が少しづつ変化してゆく経緯を第一章から受け継ぎ、より具体的より文学的に描写。また、天上編では意識的に排除されていた局面、すなわち、人間のより真実な姿である、性欲、物欲、金銭欲、名誉欲、虚栄などの人間的な側面を、天上編で展開されてきた諸テーマと絡めて展開。この章は、地上編全体の導入と地獄編への伏線を兼ねている。

第十章 Mysecret Life

性の問題を中心に、自分自身および人間の最も恥ずかしい部分を第五章と第六章のテーマと絡め、より具体的に人間の内面描写を展開。箇所によってはほとんどポルノといってもいいような描写があるが、すべて全体の統一と地獄編への導入を絡めて複雑に展開。

第十一章 善(自由)について

 第二章で暗黙に宣言された”自由”についての考察を、第二章とは完全に異なる”背景”、”設定”、”スタイル”で表現しながら、第二章と同様このテーマのみを章全体でカバー。(言語と自由、精神病と自由、文化と自由、性と自由、人工知能と自由…などなど)この章は次の章と完全に相補性をなしていて、地獄編全体の導入および地獄編からの逆参照に耐え得るよう展開。

第十二章 悪(非在)について

 第九、十、十一章を受け継ぐとともに、遠く第一、ニ、四、七章を受け継いで、第十一章とともに地獄編への導入および地獄編からの逆参照に耐え得るだけでなく、本作品のバックボーンを形成する。(キルケゴール、ニーチェ、ソシュール、フッサール、ハイデッガー、空海、道元、最澄、日蓮、親鸞、マルクス、フロイト、ユング、ドストエフスキー、カフカ、ヘルダーリンなどの思想との対決および対話。)

第十三章 人生の流転

 第十一章と十二章で展開されたメインテーマを別な角度と視点でより”広範”に、より”多重的”、”多層的”に諸テーマを展開。この章は続く第十五章、十六章の伏線でもある。

第十四章 ある悲劇

 第一章、四章、六章を受け継いで、より広い視野で、”母なること”、”女性なること”の本質に迫る。女性の強さおよび女性だけの”苦しみ”、”悲しみ”について、精神分裂病者を身内に抱える人間の苦悩について描写。(この章は、地獄編で展開される異常者の苦しみと決定的に”対比”させるためでもあり、また地獄編への伏線となっている)

第十五章 運命

 サラリーマン社会から放出され、事業を始めるが失敗する。事業の失敗だけでなく数々の失敗や壁にぶち当り、人生の挫折を味わうとともに、第二章、五章、七章を受けつつ、第十四章と対比させ、ある日突然二回目のうつ病が勃発した契機を描写。

第十六章 うつ病(U)

 第八章で展開されたうつ病の世界とは異なるうつ病の世界を別な角度で描写。何度も襲ってくる”自殺”の衝動と必死に戦っている姿を描写するとともに、生と死の問題、自由を非在の問題と絡めもう一度再考する。

以上が第U部の地上編の概要です。(第九章から)

第V部 地獄編 

第十七章 異常世界(T) …… 仮題

 本章は、地獄編全体の伏線でもあり、また天上編、地獄編からの受け皿でもある。専門家および非専門家への当該分野(=精神分裂病)への導入、すなわちメフィスト役を演じる。精神分裂病者の異常世界の描写ではなく、正常者の異常なる感性について、もろもろのジャンルでの事例を新藤君の手紙(精神分裂病のわたしの友人から実際に貰った1000通ほどの本物の手紙、残念ながら彼は自殺してしまいましたが、その遺書としての手紙です)と対比させながら、少しづつ異常者の世界に案内してゆく。

第十八章 異常世界(U) …… 仮題

 第一章、二章、三章、四章を発展・深化させながら、より深い異常世界の描写に移って行く。(”左のせかい”、”右の世界”、”上の世界”、”下の世界”、”内の世界”、”外の世界”、”シングルトン”、”デュース”、”トリプレット”、”自己言及”、”デッドロック”、”逆反復”、”発散メービウス”…などなど)

第十九章 異常世界(V) …… 仮題

 第二章、五章、七章、八章、十一章、十二章、十三章を受け、より深く精神の病いについて描写してゆく。(”リゾームの世界”、”精神的ブラックホール”、”精神的ホワイトホール”、”精神的ワームホール”、”虚時間”、”逆虚時間”、”言語の深淵”、”絶対時間”、”無限回帰”、”沸騰点”、”ひねりこみ”、”くりこみ”、”発散クオリア”…などなど)

第二十章 異常世界(W) …… 仮題

 現代社会の異常そのものを描写するとともに、近未来、超近未来、超々近未来における多方面にわたる異常世界を描写しながら、自分の異常性、新藤君の異常性、およびその他多くの異常性を非常に高いレベルで”類比”させ、そこに展開する超抽象的な”同型対応”を出発点に、いよいよ”精神分裂病”の世界への旅立ちの準備とする。

第二十一章 分裂病の世界(T) …… 仮題

 ある距離をおいての分裂病者の内面を描写。しかし、その”視点”については無数の多様性を持たせている。(”空間トポロジー”、”意味論的空間トポロジー”、”超越同型逆対応”、”DNA&擬似DNA”、”分子精神病理学”、”狂気言語学”、”逆・層の理論と無限自己回帰”…などなど)

第二十二章 分裂病の世界(U) …… 仮題

 ”超至近距離”での分裂病者の内面を記述。あたかも自分が分裂病になったかのごとく、その視点で世界がどのように”映る”か、その世界を病者。それとともに、いままで通用してきた常識が根本からすべて”崩壊”していることを読者とともに”擬似体験”する。(『ゲーデル・エッシャ・バッハ』、『神曲』、『フィネガンス・ウェイク』、『失われた時を求めて』、『悪霊』、『白痴』、『カラマーゾフの兄弟』、『城』、『審判』、『1984年』などで展開されているもろもろのモチーフやテーマを独自の文学世界に新しく創出する)世界文学の頂点を目指す。

第二十三章 分裂病の世界(V) …… 仮題

 ”生”と”死”の臨界点で分裂病者がどのように苦しんでいるか、自分自身が精神分裂病に罹ったという”視点”で地獄の苦しみが展開される。ここに於いて、第十一章かあら十三章までのすべての関連ある”リンクポイント”がちょうど自殺者が体験すると言われている、”あのイメージ”で次ぎから次ぎへとフラッシュ・バックする形態で、N重の螺旋を複雑に描きながら、発生しては消滅してゆく、ニューロンの点滅のような光景が展開される…
(本作品の最大のクライマックス)

第二十四章 異常なる感性 (エピローグ)

 突然、情景が切り替わる。今までの地獄がうってかわったように妙に平安である。しかし、”死後”ではない。天国ではない。地獄でもない。現実に極めてよく似ている。にも関わらず、これまでの現実とはだいぶ違う…。けれど、何が違うと言われても何も違っていない…。何も違っていないのに、何もかも違って感じられる…

 徐々に時間がゆっくりと流れ始める……

時間が逆に流れている…
善なるものと悪なるものとが相対化されている…
表も見えるが裏も見える…
愛もなければ憎しみもない…
宗教は終ったようだ…

善も悪もいままでと同じように展開している…


神はいない… 悪魔もいない… 何もない…

ハハハ、ハハハハ、ハハハ、ハハハハハ…何もない!

”何もないんだ!” 存在するということは
”何もない”ということなんだ!

”何もない!” 何もないということは
”何でもある!”ということなんだ

”何もない”ことと”何でもある”ことは同じなんだ!

       ……………   
 …老人は深い洞窟の中でひとりの少女と会話していた。

「ねえ、『なぞなぞのおじいさん』、わたし死んだらどこえゆくの?」

「おやおや、こんなかわいい顔をして、そんな質問ができるんだね。… そうか、そうか、それはね…」と言いかけて老人は少女にヒントを与えようと、そっと小さな頭をなでようとしたが、そのまま息を引き取った。

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以上は終章である第二十四章の超・凡そのイメージです。
わたしの作風はミヒャエル・エンデとちょうど逆で、最初にすべてのイメージが完成してしまっています。絵でいえば、スケッチ、構図、配置、その他すべてが一瞬にして全部与えられているのです。あとは二十年ぐらいかけてすこしづつ実際の肉付けをしてゆくだけです。その準備というような意味で『信のたわむれ』、『知のたわむれ』、『覚のたわむれ』、『現代のたわむれ』、『拝啓小学生の皆さんへ』、『拝啓 頭のおかしいおじさんへ』、『インターネットで見た光景』といった一連の”お遊び”を展開している訳です。『信のたわむれ』、『インターネット』程度のお遊びができなくて、”天才”とは呼べませんものね。


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『Ωの輝き』 目次一覧
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奇妙な対話
一 栄光に輝く人々
二 病院(その1)
三 病院(その2)
四 学校(その1)
五 学校(その2)
六 学校(その3)
七 学校(その4)
八 学校(その5)
九 託宣
十   遊園地(その1)
十一 遊園地(その2)
十二 遊園地(その3)
十三 遊園地(その4)
十四 土産 --とき--
十五 遠ざかる風景
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関連記事:
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『Ωの輝き』 《解説(その2)》
『モツニ哲学者、自らを語る(その1)』
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関連作品:
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■ 『拝啓 小学生の皆さんへ』
■ 『拝啓 頭のおかしいおじさんへ』
■ 『インターネットで見た光景』
■ 『信のたわむれ』 
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■ 『知のたわむれ』
■ 『覚のたわむれ』
■ 『現代のたわむれ』
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関連ブログ:
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■ ライブドア・ブログ
(世相、時事、哲学、宗教、政治、経済、その他)
■ エキサイト・ブログ
(AI、意味処理、知識処理;脳科学、神経科学;機械翻訳、その他)
■ ウェブリブログ
(文学、小説、哲学、論文、作品、ファンタジー、その他)
■ gooブログ 
(心理学、精神医学;脳科学、神経科学;教育、思想、哲学、その他)
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