哲学日記

アクセスカウンタ

zoom RSS 「お経の「色即是空」のところだけにシビレテしまった坊さん」について

<<   作成日時 : 2005/09/26 19:19   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

お経の「色即是空」のところだけにシビレテしまった坊さん」について
彼には仏教の難しい教義はほとんど解らなかったが、ただ一つ、「色即是空、空即是色」というところだけは、身にしみた。

形あるもの、生きとし生けるものは全て空しいというのだ。
これこそは絶対不動の真理だと思った。
--------(以上引用)------------
@色即是空
A空即是色

私の解釈は
”形あるもの、生きとし生けるものは全て空しいという…”というのではなく、
-------(↓)-----挿入(補足)
《色》=”一”、”有るもの”、”存在するもの”、”もの”、”物質”、…
ここで、”一”は《一即一切》の”一”、”アートマン”、”人間のロゴス=λογοσ”、”息”、”プシケー”など
《空》=”一切”、”有”、”有そのもの”、”存在そのもの”、…
ここで、”一切”は《一即一切》の”一切”、”ブラフマン”、”ロゴスそのもの=Λογοσ”、”ピュシス”、”アレーティア”、”決シテ没スルコトノナイモノ”など
------(↑)-------
ここで、一切の有るもの、すなわち、目で見たり、耳で聞いたり、手で触ったり、その他何らかの知覚あるいは感覚によって感知、認識できる一切のもの、これを”色(しき)”と呼んでいるのは周知の事実ですが、存在論的にいえば《有るものの有》ということになります。一方、それら個々の個物を超越した一切の存在物を”存在”せしめている”有”そのもの、”存在”そのもの、人間に最も近く、かつ人間に最も遠い”存在そのもの”…これを”空”とよんでいます。

つまり、@色即是空という公案、箴言、言い回し、公理、アレーティア…の意味はすべてのものが虚しい…というようなそういう意味ではなく、《あなたがロゴスそのものに耳を傾ければ、そのロゴスは”一即一切”である…とわたしたちに教えてくれているのですよ…》というヘラクレイトスの箴言のような意味になるのです。これ、仏教でいう”悟り”なんですが、ことばの次元でなくこの”雰囲気”、この”意味合い”、この”ニュアンス”、そういったものが”肚(はら)”でわかるようになれば、その意味がわかった…ということになるのです。これは西洋形而上学的にわかったというようなそういう理解とは次元を超えた理解なのです。つまり、わかりやすいことばに翻訳すれば《あなたは”存在”そのものの”味”を満喫することができましたか?……》というような意味合いなのです。

さて、A空即是色という公案、箴言、言い回し、公理、アレーティア…の意味はどうなんでしょう。すでに@があるのになぜAがあるのでしょうか? これは、既に悟った人間、真理(=アレーティア)を洞察した人間、一切の根元が何であるか知った人間が、その”悟り”、”洞察”、”真理”、”知恵”をあたかも”悟っていないかのごとく”、”真理に到達しているのに、あたかも到達していないかのごとくに”、要するに”悟り”のあとの”ほんとうの悟り”の境地のことを伝えているのです。つまり、うつ病の地獄を体験したけれど、あたかも”うつ病になんかまったくかかったことのないように”振舞うような、そんな感じなのですが、要するにほんとうに”悟る”ことができたとき、そのひとは”悟り”そのものから超越することができるのですよ…ということがこの、A空即是色の意味合いなのです。

このことを念頭において、”価値なき神”の哲学をもう一度じっくり味わってみると実におもしろい風景、雰囲気、場面、場景、情景、パノラマ、展望、景色…が装いも新たに、あなたの現前に立ち現れるでしょう。もし、そうでなければ、@およびAが肚でわかるようになるまで人生の基本、すなわち、喜び、苦しみ、悲しみ、そういったひとつひとつの人生行路の一足一足をもう一度最初から歩んでゆかなければならないかもしれませんね。厳しいようですが。

ワタシニ聞クトイウノデハナクテ、言ワレテイルコトソノモノニ耳ヲ傾ケテ、万物ガ一ツデアルコトヲ、言ワレテイル通リニ認メルノガ知トイウモノダ

                 --- 断片五十 ---- (ヘラクレイトス)



以上、《モツニ哲学者》風の”公案”
 @色即是空
 A空即是色
の解説でした。

---------------------
関連記事:
『一即一切』
『信のたわむれ』 《ロゴス空間》:後半
---------------------
関連作品:
■ 『拝啓 小学生の皆さんへ』
■ 『拝啓 頭のおかしいおじさんへ』
■ 『インターネットで見た光景』
■ 『信のたわむれ』 
■ 『知のたわむれ』
■ 『覚のたわむれ』
■ 『現代のたわむれ』
■ 『異常なる感性』
---------------------
参考文献:

『ヘラクレイトス』        ハイデッガー全集 55巻
『仏教とキリスト教』       滝沢克巳;法蔵館
『続 仏教とキリスト教》     滝沢克巳;法蔵館
『仏教とキリスト教の接点』    八木誠一;法蔵館
『久松真一著作集』        久松真一;法蔵館
『滝沢克巳著作集』        滝沢克巳;法蔵館
『人生の帰趣』          山崎弁榮;

----------------------
『マルコ福音書 上巻』      田川建三;新教出版社
『イエスという男』        田川建三;三一書房
『立ちつくす思想』        田川建三;勁草書房
『歴史的類比の思想』       田川建三;勁草書房
『批判的主体の形成』       田川建三;三一書房
『宗教とは何か』         田川建三;大和書房

----------------------
『言葉と物』           M・フーコー;新潮社 
『ソシュールの思想』       丸山圭三郎;岩波書店
『ソシュールを読む』       丸山圭三郎;岩波セミナーブックス
『沈黙するソシュール』      前田英樹; 
『偶然と必然』          J・モノー;みずず書房
『善悪の彼岸』          ニーチェ;岩波文庫
『道徳の系譜』          ニーチェ;岩波文庫

-----------------------

参考文献:
『精神分裂病 上下』     ビンスワンガー;みすず書房
『精神分裂病』         ミンコフスキー;みすず書房
『生きられる時間 上下』   ミンコフスキー;みすず書房
『現象学的人間学』      ビンスワンガー;みすず書房
『内的時間の現象学』     フッサール;みすず書房
『自己・あいだ・時間』     木村敏;弘文堂

『ゲーデル・エッシャ・バッハ』 ダグラス・ホフスタッター;白楊社

『フロイド選集 (全17巻)』    フロイト;日本教文社;
特に 「自我論」、「文化論」、「芸術論」、「幻想の未来」

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「お経の「色即是空」のところだけにシビレテしまった坊さん」について 哲学日記/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる